【開催レポート】Intellect Japanを迎えて「コンテンツモデレーションにおけるメンタルヘルス」を考える交流イベントを開催しました!

イベントレポート

2025年10月24日(金)、第3回目となるトラスト&セーフティ協会主催の交流イベント「T&S Social」を開催しました。

会場は、オブザーバー会員である Intellect Japan株式会社様のご厚意により、オフィスをお借りして開催いたしました。高い関心をお持ちの会員が集まり、「コンテンツモデレーションにおけるメンタルヘルス」をテーマに、活発な議論と意見交換が行われました。

開催背景

コンテンツモデレーション(投稿監視・審査)とは、ユーザーが投稿したコンテンツを確認し、ガイドラインや法令に照らして安全性や適切性を判断する業務を指します。

その現場では、過激・暴力的・センシティブな投稿に加え、ヘイトスピーチやフェイクニュースといった内容に日常的に触れることによる「認知の歪み」も深刻な課題となっています。

こうした環境で働くモデレーターにとって、メンタルヘルスの維持は個人の健康だけでなく、組織全体の持続的、安全な運営に直結するテーマです。

今回のT&S Socialでは、オブザーバー会員である Intellect Japan株式会社 様をお迎えし、「コンテンツモデレーションにおけるメンタルヘルスの問題とその取り組み」をテーマにお話しいただきました。

Intellect Japan様によるセッション

登壇では、Intellect Japan様がグローバルで展開するメンタルヘルス支援の知見について、以下の観点から多角的にご紹介いただきました。

  • モデレーション担当者が直面する心理的負荷
  • 企業としてのサポート体制構築の重要性
  • メンタルヘルス不調がもたらす具体的な実害(生産性の低下、採用コストの増大、チームへの影響など)
  • ケアをどのようなプロセスで実施すべきか、その実践的アプローチ

事例として、生体データを活用してストレスの予兆を検知するシステム開発にも触れられ、科学的なアプローチによる予防的ケアの可能性が紹介されました。
👉 関連リンク:PR TIMES – Intellect Japan、ストレス予兆検知システム開発

また質疑応答では、

  • 「在宅で作業を行うモデレーション担当者をどう支援すべきか?」
  • 「T&S部門内で従業員支援をどのように仕組み化できるか?」
  • 「日本企業特有のメンタルヘルス課題と海外との違い」

    といったテーマを中心に、活発な意見交換が行われました。

全体を通して、T&Sの“安全”は技術やポリシーだけでなく、人を支える仕組みから成り立つものであることを改めて認識する機会となりました。

JTSAからの共有

協会からは、以下の2つのトピックを共有しました。

  • モデレーション分科会の始動(10/3〜)

T&S実務者による知見共有と課題整理を目的とした分科会がスタートしました。

初回では、各社のコンテンツモデレーション手法や運用フローを共有し、相互理解を深めるとともに、自社の悩みを率直に話し合う有意義な時間となりました。

  • Global Anti-Scam Summit Asia 2025 登壇報告

シンガポールで開催された国際カンファレンスにて、当協会理事・事務局長の田中が登壇し、詐欺対策と産官学連携の重要性についてJTSAの取り組みを踏まえて発表しました。

交流とネットワーキング

後半では、軽食を交えながらのネットワーキングタイムを実施しました。

会場のあちこちで会話が途切れることなく続き、T&Sの現場ならではの課題や工夫が次々と共有されました。

それぞれが抱えるT&Sの課題を共有し合う中で、他社の取り組みから実務に生かせるヒントを得たり、「自社だけの悩みではない」と実感したりする場面も多く見られました。

また、NPOの方や他の業界団体を運営されている方もご参加され、多様な視点からの知見共有で大いに盛り上がりました。

業界や組織の垣根を越えて、様々な立場でオンラインの「信頼」と「安全」を守るメンバー同士が集い、共に進むことを確かめ合える良い時間となりました。

まとめと今後に向けて

今回のイベントは、T&Sの根幹を支える“人”のケアに焦点を当て、現場課題に真正面から向き合う貴重な機会となりました。
トラスト&セーフティ協会では、今後も実務者同士の学び合いと相互支援を通じ、より安全で健全かつ持続可能なデジタル社会の実現を目指してまいります。

次回のT&S Socialも企画中です。
会員の皆様のご参加を心よりお待ちしております。
また、当協会の活動にご関心をお持ちの企業・団体の皆様のご入会も歓迎しております。

👉 入会案内:https://www.trustsafety.or.jp/howtojoin

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